株価指標を理解しよう

株価指標 ファンダメンタル分析を使った銘柄選び
株価指標

こんにちは。

このサイトでは10代や投資初心者のために分かりやすく株の仕組みや投資についての説明をしています。

今回の本記事では、株価指標として代表的な3つの指標についてその意味と使い方について理解していきましょう。

1.PER 2.PBR 3.配当利回り

株価指標を使ってみよう

株式投資の基本は「安く買って高く売ること」

企業実態と比べて割安な株価がつけられている銘柄を選んで買えば勝率も上がります。

いまの株価が適正かどうか、安く売られ過ぎているかどうかを判断するのに役立つのが株価指標です。

代表的なものにPERPBR配当利回りがあります。

これらの指標を参照し、相互に比較することで株価が割安かどうかを重要な材料材料とします。

では、これから各3つの指標について学んでいきましょう。

各指標の意味や計算式を簡単にショートver.でまとめている記事がありますので、

もっと端的に知りたいという方はそちらをご参照ください。

PERの意味

PERは、”Price Earning Ratio” の略であり、「株価収益率」や「ピーイ―アール」と呼ばれています。

どういう役割を持っているかざっくり言うと、

株価と会社の利益を比べてみて、株価が割安かどうかを判断する指標です。

もうすこし具体的に説明すると

今の株価が「1株当たり当期純利益」の何倍の水準にあるかを計算し、その倍率が少なかったら割安と考えます。

PERの計算式は以下のとおりです。

〇PER(株価収益率)

PER(倍) = 株価 ÷ 1株当たりの(予想)当期純利益

例えば、株価が400円、1株当たり当期純利益の予想が25円の会社の場合、

PERは「400円÷25円=16(倍)」となります。

ここで株価は将来を見越して動きますので、一般的にPERを計算する際には「1株当たり当期純利益の予想値」を使います。

1株あたり当期純利益(予想)は四季報にも掲載されていますし、決算短信のサマリー情報にも記載がされています。簡単に計算できますので、自分でも算出できるようにしておくと良いですね。

もう少しPERについての意味を深堀していきましょう。

例えば、「株価50万円、発行株式数100株、当期純利益(予想)500万円」という企業Aがあったとしましょう。

あなたがこの会社の株価を全部買い占めたとすると、(50万×100株で)5000万円で当期純利益500万円の持ち主(唯一株主)になったことになります。

ここで注意して欲しいのは当期純利益はすべて株主のものという点です。売上から経費などの諸費用を引いて税金を払って残った当期純利益はどう使おうが株主の自由です。

この利益を配当に回すもよし、企業の将来のための設備に使うのもよしです。

この企業Aの株主はあなた一人ですから、当期純利益をどのように使うかあなたが自由に決められます。

つまり、投資した5000万円に対して毎年500万円の自由に使えるお金が手に入るということです。

5000万円払って、1年の当期純利益が500万円だとすると一体何年で最初に投資したお金を回収できるでしょうか??

そうですね。500万円×10年=5000万円で、10年もすればあなたは最初に投資した金額を回収できますね。

実はPERとはこの10年のことを言っているのです。

上記の例で言うとこのような式になります。

PER=5000万円÷500万円=10(倍)

実際は株を全部買い占めるということはないでしょうから1株当たりで計算します。

ですが計算式の構造自体は上記の式と同じです。投資資金を1株当たりにして、当期純利益も1株あたりにして計算すると、こうなります。

PER=50万円(1株あたり株価) ÷ 5万円(1株あたり当期純利益) = 10(倍)

なんとなくでも、PERのイメージができたでしょうか??

こうして考えてみるとPERが低い数値ほど割安という意味がわかってくるのではないでしょうか。

最初に投資した金額が何年間の利益で回収できるかを判断する指標ですから

かかる年数は少ないに越したことはありませんよね??

PBRの意味

PERと並んで株価指標として非常にポピュラーなものがPBR(ピービ―アール)です。日本語では「株価純資産倍率」と言います。

PBRはPERと比べると非常に扱いやすいですし、割安株の判断も比較的容易です。

ここでいきなり質問ですが、株主が持てる3つの権利をご存じでしょうか??

株主総会に参加できる”議決権”と配当を受け取ることが出来る”配当請求権”(正式には”剰余配当請求権”)はイメージしやすいかと思います。

もう1つの”残余財産分配請求権”は初めて耳にする方も多いのではないでしょうか。

この残余財産分配請求権とは、

企業が解散した時に債務を返済した後で残った財産(剰余財産)を株主が受け取ることが出来るという権利です。

これから説明するPBRはこの残余財産分配請求権と深く関わっています。

PBRは”Price Book-value Ratio”の略で、計算式は以下のようになっています。

〇PBR(株価純資産倍率)

PBR(倍) = 株価 ÷ 1株当たり純利益

PBRは、株価が1株当たりの純資産、つまり1株当たりの残余財産が何倍の水準にあるかということを表しています。

PBRが表す”割安”

一般的には、PBRが1倍よりも少ないと株価が割安と言われています。

PBRが1倍を下回るということは、株価が1株当たり純資産より低い状態にあることを表します

さきほどの、残余財産分配で考えると

1株当たり純資産は、企業が解散した時に名目上、株主受け取れる1株当たりの金額のことです。

なので、PBRが1倍よりも低い数値になるということは

「現時点で企業を解散した時に株主が受け取れる金額の方が株価よりも高い=株価が安い」

ということを表しているのです。

近い未来に企業が利益を上げれば、その利益は最終的に剰余金として蓄積されて純資産が増加します。

そのため、通常、利益を今後上げることが出来る企業のPBRは1倍を超えるはずです。

それなのに、PBRが1倍を割れているのであれば、

現時点の株価が企業価値から比較して割安なのはもちろん、

将来有望と考えられる企業の場合、将来、利益がさらに蓄積されて企業価値の増加すると考えるとさらに割安と判断できます。

配当利回りの意味

配当利回りとは、

現在の株価で株を買った場合に、配当金により年間で何パーセントの現金収入を得ることが出来るかを表したものです。

具体的には以下の計算式で求められます

〇配当利回り

配当利回り(%) ={ 1株当たり(予想)配当金 ÷ 株価 }× 100

PERと同じく、ここでの配当金は予想数値を使うようにしましょう。

株価は未来の予想を反映するものですから、過去の実績値には正直あまり意味はありません。

既に払い終わっている過去の配当金よりも、これからどれだけの配当金が貰えるかの方が大事です。

できるだけ、1株当たり配当金は予想値を使用するようにしましょう。

例えばですが、

現在の株価1000円、1株当たり予想配当金が50円の銘柄であれば配当利回りは5%になります。

40÷1000×100=4%

配当利回り5%が変わらず続く場合、20年間配当金をもらい続ければ、配当金だけで最初に投資した1000円の元本が回収できることになります。※現実では多少税金で引かれます

当然ですが、配当利回りは高い方が投資金額に対してより多くの配当金がもらえるので株価は割安と言えます。

ここで先ほどの計算式を見直してみてください。

計算式によると、配当利回りが変動する要因は”1株当たり予想配当金”と”株価”の2つです。

つまり、配当金が増加するか、株価が下落すれば配当利回りが上昇する仕組みになっています。

株価が下落して配当利回りが高くなってくると、安い元本で多額の配当金を得られるチャンスと言えます。

この配当金目当ての株式購入が増加することで、株価の下支え効果が期待できます。

Point.

過去に下がった株価の一番安いラインが配当利回り3%だった場合、

一度上昇してまた下降トレンドになっても配当利回り3%前後あたりで下げ止まるという予想も立てられるようになります。

まとめ

お疲れ様でした。

すこし長くなりましたが、ここまでで主要株価指標のPBR・PER・配当利回りの3指標を理解することができたはずです。

この3つの指標は投資先を探すうえで自分で計算するようになるとドンドン理解してきて、

自分なりの割安ラインや基準が出来てくるかと思います。

まずは自分で銘柄を選んで各指標を確認・計算してみましょう。

つぎくらいの記事で各指標の注意点や違いについてもう少し詳しく説明しようと思います。

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